湯布院の御三家「山荘無量塔(さんそうむらた)」

時は約40年前。まだ湯布院(由布院)が観光地として、さほど有名でなかった頃から
「玉の湯」「亀の井別荘」という「おもてなし」の高級旅館があると聞きつけ、

取材も兼ねて出かけた20代のミンミンゼミ。

玉の湯さんが一番のお気に入りで何度か伺ったあと、1992年、「山荘無量塔(さんそうむらた)」
が「お宿」として参入してからは「MURATAファン」のひとりになり、惚れこんでしまう。



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30代、口コミで知人友人に、この地を紹介し、
未だに根強いファンで居続けている「ムラター」(←ミンミン命名)も数人いて、
毎年季節を変えて「山荘 無量塔詣で」をしているらしく、うらやましい限りだ。



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何年ぶりかの再訪は時間(とき)の流れが止まった「デジャブ感」さえあり、
洗練されすぎないサービスが、温かで心地よい。

部屋の窓からは、何気ない雑木林が見えるだけ。
それが特別な木に見えてしまうのは手入れが行き届いているからだろうな。



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たった12室しかない客室は、すべて離れで古民家を移築したインテリアが落ち着く。

無機質ではない審美眼の優れた物だけが、その場の自然な空間と共に存在していて、
ほっとした気持ちになれる。






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まずは宿の敷地内の「MURATAのセレクトショップ」に、出かけてみよう。





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いわゆる「売店」なのだか、そのクオリティに驚き、
コスパの良さも有難く、お客様への思いをここでもまた、垣間見ることができる。



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12組しか訪れない客のための空間が自然の美味しい空気も取り入れ
やすらぎの場になっていて心地よいことこの上ない。

 


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「テオムラタ」というMURATAブランドのチョコレートも最近の人気者となっているらしいので
パープルパッケージを買ってみよう。





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ここでも音楽を聴き読書をしながらティータイム・・




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おっと、嘘はいけない。私は写真を撮りながらのバタバタ紅茶時間になってしまう。

古民家を移築し新しいものと合わせ、東洋のものと西洋のものを「新創造」して
新しいMURATAスタイルを構築していくコンセプトが、あらゆるところに生きている。





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貴腐マスカットショコラに濃い目の紅茶が美味しい。




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その後は部屋に戻らず、無量塔(むらた)のシンボルともいえる「Tan’s Bar」へ~~




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新旧、東と西のミックスマッチな天井の高い空間、
木のぬくもりを感じる40年前へとタイムスリップできる場所。

宿の宿泊者にはジュース、コーヒー、紅茶がいつでもサービスされる。

日中は宿泊者以外も利用できるので、わざわざ福岡から車を飛ばし、
ここでお茶をしたという時代もあるほど、私のお気に入り。(こっちは有料だけどね)




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1930年代のアメリカ製劇場用スピーカー、WE16Aホーンが奏でる重厚な音楽は、
旅ごころを刺激するのに充分なクオリティだ。



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そして ここでも他の客人と顔を合わせることはなく、
静寂の中に上質な音が鼓動する。



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光と影を意識してファインダーを覗いてみると、
現実よりもドラマチックなひとコマが浮かび、

たくさんの文章を重ねるより1枚の画像がより、
この場所の静寂を表してくれるのかもしれない。



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マスターが手慣れたオンザロックで淹れてくださる、
北欧ティーセンター・オブ・ストックホルムのアールグレイのアイスティー。

まだ汗ばむ陽気だった10月の夕暮れには冷たいドリンクが身に沁みる。




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お酒を嗜む方には200種類のお酒が常時用意されているのも魅力のひとつだろう。
 私はこのキャビネットと中のグラスが気になるけど・・。




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くつろぎの時間を満喫したあとは離れの部屋に戻るだけ。
暮れた空に月と輝く星、少しだけ残った淡いピンクの夕陽が見える。

 どうせ、ちゃんと写らないとわかっていてもシャッターを押してみる自分。




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湯布院の奥座敷では 何もしないことが”仕事”なのかもしれないのは
わかっているのだけど・・。

夕食の時間まで、準備してくださっていたCDを大ボリュームで聴いてみると、

『慕情』や『追憶』など、懐かしのスクリーンテーマミュージックが流れ、
ダークブラウンの和の部屋に違和感なくなじんでいるような気がした。





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西洋音楽を聴きながら、東洋文化、日本茶の時間を愉しむことにしよう。
まさにMURATAの世界観をどっぷり味わってみる。




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すっかり日が暮れて湯布院の夜が始まり、
離れの部屋の中の個室に、なんとも感じの良い青年が夕食を運んできてくれる。

~さようか、君が
 担当なのか? ~  ↓↓↓


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お品書きのとおりに運ばれる、季節を歩む秋の味覚。




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器とのハーモニーも計算され、


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美味「口福なり」(←ミンミン作)



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情感豊かなのお料理の数々はブランドにこだわることなく、
素材の良さを厳選にセレクトしたものだそう。




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こんな静寂の空間で料理の撮影をするなど無粋だな・・と思いつつ
食べながらしゃべりながら撮影しながら、休む暇なしなのは、
我ながらいい加減にしてもらいたいものだ。



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食べきれなかった窯炊きごはんは、夜食のおにぎりにしてくれると言う。
お腹いっぱいなのに、なんでお願いしてしまうんだろう?

旅は自分の体重を忘れさせる平和な時間だ。






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夜は地元のマッサージ師さんに部屋に来ていただき、
硬い身体をもみほぐしてもらう。

博学でウィットに富む会話が楽しいマッサージ師さん。
宿の採点があるならば、確実にポイントアップに貢献している、素晴らしい施術をしてくださる方だった。

技術はもちろん「会話」の中にお人柄を感じ、コミニュケーションの大切さに改めて気付く。




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そんな心地良い部屋マッサージのあとは、普通そのまま寝るでしょ?
まだ22時よ~「眠らない女」ミンミンは行く!

23時までオープンしている、さっきのバーに歩いて30秒、ひとりで出かけるわけ。

もちろん「紅茶をこよなく愛するミンミン先生」(←新刊の帯に書かれているから読んでね!)

オーダーは1杯の紅茶。。(無料だし・・)



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ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルテッドに
ダージリンを濃い目に淹れてくださった。


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23時、部屋の温泉風呂に入り、いつもより早く就寝。
マッサージのおかげか、深く眠れた気がする。

由布院の朝は霧が立ちこめ、神秘的なのに、ゆっくりしている暇がないのは私らしい。



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朝食が運ばれ今度はベテランのご婦人が部屋の担当に代わる。
昨夜のお兄さんに朝からのお部屋係さん。
やさしさが漂うその応対に、またもや心洗われる。

きっと ここで働く人たちは皆 誇りを持って仕事をされているのだろうなと感じる、
プロフェッショナルな「おもてなし」に、頼まれていないけどアンケートを書きたくなってしまう。




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モダンな美術館(アタージオ)も敷地内にあり、
隠れ家的な場所だからこそアートを感じる心の幅も広がるだろうな。




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「テオムラタ」の店内やカフェはモダンテイストで宿の雰囲気とは趣を異にしている。

3種の日本茶が練り込まれたチョコレートセットも、かなり魅力的~
この暑さでは東京に戻るまでに溶けてしまうと思いお土産は断念したが、
いつかは食べてみたい上質さが伝わる逸品の風情だった。




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本当は朝も9時からバーがオープンするので、ティータイムをしてから旅立ちたかった。

時間の読めない場所へと向かうため紅茶をいただかずに出発したのが、とても残念。

また、いつか湯布院に行くことがあれば、
マスターの淹れる美味しい紅茶を飲みに立ち寄りたい。


~~ つづく ~~



by chanmie526 | 2021-10-17 22:42 | お出かけ | Trackback